みんなの学校では、どんな印刷機でプリントがつくられているのだろう? メカが大好きなプリ太、ちょこ、しふぉんが、ちょっと昔にタイムスリップ!
学校ではこれまでどのように印刷物が作られていたか、印刷の歴史を見てきたゾ。
昔の印刷機ってオモシロイ!





明治から昭和の中ごろまで、学校で配られる印刷物は主に「謄写版(とうしゃばん)」という印刷機 [ ①↓ ] で作られていました。原紙に文字を書いて細かい穴をあけ、上からインクをつけたローラーを転がして刷る簡単な装置です。
ただし、1枚刷るごとに紙をめくらなければならず、とても時間がかかりました。明治43(1910)年には、手で回す輪転式(りんてんしき)の謄写(とうしゃ)印刷機 [ ②↓ ] が誕生します。さらに昭和45(1970)年ごろに電動式の印刷機が開発され、速いスピードで連続して印刷できるようになりました。


① 謄写版と印刷のしくみ


原紙(表面にロウを塗った薄い紙)に鉄筆で文字を書くと小さな穴があき、その穴からローラーでインクを押し出して紙に転写する(孔版印刷)は、鉄筆(てっぴつ)で文字を書くとき、ガリガリ音がするから「ガリ版印刷」とも呼ばれました。



② 謄写印刷機

鉄筆で原紙に文字を書き、版をつくるところまでは [ ①↑ ] と同じですが、それをこの手回し式の印刷機にかけることで印刷はよりカンタンになりました。その後電動化され、さらにスピードアップしました。





昭和31(1956)年ごろ、謄写印刷(とうしゃいんさつ)に初めて「製版機」 [ ③↓ ] が登場し、原稿づくりが大きく変わりました。原稿を光センサーで読み取り、それを電気信号に変えて自動的に原紙に小さな穴をあけるのです。
それまでの手書きに代わって、タイプで打った文字を使ったり、写真やイラストを入れてレイアウトしたり、きれいな印刷物を効率よくつくることができるようになりました。


③ 初期の製版機のしくみ

左右のドラムに原紙と原稿を巻きつけ、光センサーで読み取った原稿を電気信号にして送ることで、原稿通り原紙に穴を開けていきます。出来上がった版は謄写印刷機 [ ②↑ ] で印刷されました。

写真は昭和30年代の自動製版機。提供/謄写技術資料館




昭和61(1986)年、謄写式(とうしゃしき)の印刷機はついにデジタル化され、性能が飛躍的(ひやくてき)にアップします。「デジタル印刷機」の始まりです。
デジタル印刷機は、文字や写真入りの原稿をスキャナで読み取って自動的に版をつくり、それにインクをつけて紙に転写(てんしゃ)します。高速で一度にたくさん刷ることができて、仕上がりも大変きれいです。
デジタル印刷機が誕生しておよそ30年。今も次々に新しい技術が生まれ進化を続けていますが、実は印刷のしくみは昔の謄写版(とうしゃばん)とほとんど変わっていないのです。


最新モデルの1つ

ボタンを押すだけで自動的に原稿を読み取って版が作成され、印刷スタート。両面印刷はもちろん、2色印刷もできる最新機種もある。





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